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2005年6月27日 (月)

心をうたれた話

私の友人のS君が、先日華麗なる転職を果たした。

今から10年ほど前、S君は京都の某国立大学の卒業を控え、コンピュータ会社への就職が内定し、希望に満ちた幸福な時間を過ごしていた。
ある日S君は、彼女と比叡山へドライブに出かけた。
不幸にもそこでS君の車は、暴走族に囲まれ、道を遮られ、嫌がらせの限りを受けた。
突然、S君の車の前を遮るようにジグザグに走っていたバイクの1台が転倒した。
運悪く、S君の車の前輪タイヤが、転倒したバイクの族の頭を踏んでしまった。
その暴走族の少年は即死!
どう考えても、暴走族の自業自得。死んでも当然と思う。しかし、S君は
 ・刑事: 業務上過失致死。ただし執行猶予
 ・行政: 運転免許取り消し
 ・民事: これだけは完全にS君の勝利。賠償責任は発生せず。
という制裁を受けることとなった。 本当に気の毒。
そして、コンピュータ会社への就職内定は取り消された。
その会社は、誰もが名前を知っている有名な会社で、IT業界のリーディングカンパニー、超一流企業である。
気の毒がられていたが、規則により内定は取り消されたのである。
そしてS君は、SE(システム・エンジニア)になる夢が閉ざされた。
彼は、全く別の業種の会社に営業職として就職する事となった。

そして10年の歳月が流れた。S君は既に一児の父。 2002年のこと。
一昨年私は、IT業界のヘッドハンター(エージェントという)から、S君を紹介された。
これが私とS君との出会いであった。
そのエージェントが私に意見を求めるために引き合わせたのである。占いも期待されたかも知れない。
S君はこの10年間、「IT業界で働きたい、SEやりたい」 という希望を捨てきれず、悶々として過ごしてきたらしい。
そう、清原和博が巨人のユニホームを着る夢を捨てきれず、西武で過ごした10年間と同じ思いだろう。
年齢は既に30を過ぎている。そう若くはない。
IT業界のスキルマップでは、ミドル~シニアSE、PM(プロジェクトマネージャー)といったステータスに居なければ、淘汰されていく年代。
『30歳定年説』等と言われているこの業界に、30を過ぎて身を投じるリスクはあまりにも大きい。・・・というか、あり得ない。
そう、30歳を過ぎて、プロ野球のテスト生として入団するようなモノ!!!

「この業界、周囲がイメージするような華やかな世界じゃないよ。 すごくしんどいよ。体力要るよ。辛いよ。」
てなことを、私は懇々と説明した。 が、、、S君の思いは非常に強く、固い決意を秘めていた。
 「IT業界に入らなければ、自分の人生に大きな悔いを残す。」
 「ダメかどうかは、身をもって体験しなければ納得できない。」
10年間つのり続けた悔しい思いが、権化のように彼の心を支配し続けてきたのである。
「もう誰にも止められない。 止めるべきではない。」 と私は思った。
そして遂に、前述のエージェントの尽力で、S君は業界入りを果たした。
悪夢の事故から10年目の春の出来事である。
その後私はS君には会っていないが、「頑張っている」と風の便りに聞いている。

給料は下がる。社会的な地位も下がる。右も左もわからない。仕事しんどい。・・・
でも、これでS君は、10年前の悪夢の呪縛から解放され、希望をを取り戻したに違いない。
そう、彼は今、青春している(に違いない!!)

先週の日曜日、サムエル・ウルマンの名詩『Youth』を訳した新井満氏がTV出演して、訳詩を朗読していた。
詩の言葉が、S君のこと、私のこと にオーバーラップし、涙してしまった。
私はS君に、この詩『青春とは』を贈りたい。 この本をプレゼントしたいと考えている。

  ※サムエル・ウルマンの詩
   http://www.geocities.jp/h4kyhy/youth-1.html

S君へのエールと同時に、人生半分を過ぎた(But,何も達成していない)自分に対するエールとして
この詩を頭に刻んでおきたい。

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